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中島みゆきツアー 意外な楽曲その1 [Mの音楽]

「中島みゆきTOUR2010」、本当に息を呑むような圧倒的なステージでした。

コントートツアーは夜会における書きおろし楽曲の披露ではなく、
発表済みの曲だとはわかっていても、やはり一味もふた味も異なったものに聴こえるのは、
まさにライブの醍醐味。

国際フォーラムホールAの会場内、見渡す限りの空間すべてが、
みゆきさんの歌声と音楽で振動しているのです。

空間そのものが震えているのです。むろんここに自分の体を置くわけですから家のオーディオでCDを聞くのとはわけが違います。

コンサートステージ.jpg
記憶を頼りに、ステージの様子をIntuos4を使ってざっと絵にしてみました。こそこそ写真を撮るようなさもしい真似はけっしていたしておりません。

みゆきさんが”金がかかってんだか、かかってないんだかわからない”と評した(笑)ステージセットは、くすんだ白ペンキで塗った木枠を模したであろう質感の構造物が4重に並んでいるのが特徴的でした。

それが曲ごとにさまざまなライトアップを受けて空間を演出するのです。

この一見地味で冴えない大きな木枠も、ひとたびライトアップを受けるととてもきれいに映えるのです。特にキレイだー!と思った瞬間のステージを今回描きました。

シルエットとしては「鳥居」を思わせる構造物であり、
幾重にもそびえる姿は伏見稲荷大社などの千本鳥居を彷彿とさせます。
ステージは真夜中の動物園さながら、あっちとこっちの世界の狭間とでも言うべき独特の雰囲気を醸していました。

またステージ中央の奥にも、ヒトの身長くらいの高さの鳥居状の構造物がありました。
こちらは円柱状の打ち放しコンクリートでできたような質感でした。

その構造物の木枠表面はところどころ古びた感じで、ペンキの剥げたような箇所もありました。
2007年のステージセットも古びた鉄骨のようなものが配置してあったような気がします。

「廃墟」的なものをセットにするのは夜会でもしばしばみられます。



今回のコンサート、本当にまさか、あの曲が歌われるとは!と思った方も多いはず。

コンサート開始の第1曲目は「今日以来」と予想通りの流れである意味安心していられたのですが、そんな悠長な気分を吹き飛ばす1曲が披露されました。

タンタンタンタン…タンタンタンタン…静かなピアノ調のイントロで始まる4曲目。

あ、これは「誕生」のイントロだ、なんて思っていたのですが、どこかで有り得ないこと望んじゃいないなんて思い込んでいたのでしょう。

それは「二雙の舟」のイントロでした。

これは夜会のために作られた「夜会」のテーマソングであり、通常のコンサートツアーでは過去一度も歌われることのなかった楽曲でした。みゆきさんもトークでそのように紹介されていました。

これを理解したとき、思わず(ウソ…!)とつぶやかずにいられませんでした。

私はこの曲を初めて聴いた時のことを忘れもしません。

きっかけは3年前、YOUTUBEで「5分でわかる中島みゆきの歴史」という編集動画を観た時、
89年から始まる夜会の映像を背景に「二雙の舟」のサビが流れていました。

(…理想の船?)…最初は大事なところを聴きとれずにいたものの、ほんの数秒のフレーズとメロディが耳から離れなくなり、聴きとれた歌詞で検索をかけてみることでやっと曲の正体を知ることになりました。

それは今まで聴いてきたどの曲ともまったく違う、痛ましく悲しいのに、なんて途方もなく力強い詩を唄うのか、私に「中島みゆき」を本物の歌手として気付かせてくれたのはまぎれもなく「二雙の舟」でした。


そんな曲がまさに目の前で展開していたのです。

二雙の舟は92年アルバム「EAST ASIA」に収録されたアレンジで、
さらに当時録音に参加されていたコーラスの「杉本和世さん」と「坪倉唯子さん」までもがステージ上に立っているのです。

杉本さん坪倉さんともに一部をソロで歌うパートがあるのですが、その瞬間こみあげる情動といったら、もうありません。

幾度となく夜会を彩ってきたフレーズが空間を振動させます。

「二雙の舟」という楽曲、夜会の中ではストーリーに即した歌詞の一部分を唄うことがほとんどで、「フルバージョン」がステージで披露されたのは、およそ20年ぶり。

特に坪倉唯子さんがやや低めの声でソウルフルに歌い上げるその様子を目の前に唖然としました。呼吸が乱れてしまうのと同時に、目にこみ上げるものが。そしてラストのサビがたたみかけています。

うるうるうるる、ため息にも似た呼吸を繰り返しながら、圧倒的な歌唱と演奏を耳と目を凝らして、しかと見届けました。


そしてみゆきさんはステージ左にいったんはけ、すると間奏の間ステージ後ろの背景に「夜会」のモノクロ写真がぼんやりと投影されていました。

第1回らしき瞬間、メイド服を着た第6回らしき瞬間、手を引かれ水流に消えていく第13回らしき写真とともに二雙の舟の演奏は終わっていきました。


やがて白い衣装に着替えたみゆきさん、今までのムードをまるで引き継がずに(笑)軽快なトークをしてくれます。

今回、「二雙の舟」をセットリストに加えたのはなんでかな、と想像するに第15・16回夜会「今晩屋」では二雙の舟が披露されなかったことにもあるのではないか、と思いました。


今回、コンサートツアーのセットリストを予想しましたが、その予想通り良い意味で期待を裏切ってくれ、完全一致とはいきませんでした!

まさか二雙の舟に時代が披露されるなんて、喜ばしい驚きでいっぱいです。


●予想               ●本当
1.今日以来           1.今日以来
2.黄砂に吹かれて       2.翼をあげて
3.信じ難いもの         3.愛が私に命ずること
4.ひとり上手           4.二雙の舟
5.孤独の肖像           5.サバイバルロード
6.ハリネズミだって恋をする  6.時刻表
7.永遠の嘘をついてくれ    7.夜曲
8.永久欠番           8.真夜中の動物園 
9.銀の竜の背に乗って     9.夢だもの
10.真夜中の動物園     10.しあわせ芝居
11.サメの歌          11.銀の竜の背に乗って
12.愛だけを残せ       12.Nobody Is Right
13.愛が私に命ずること   13.顔のない街の中で
14.NOW            14.鷹の歌
15.紅灯の海          15.時代
16.地上の星         
                  -アンコール-
-アンコール-
                  16.悪女
17.負けんもんね       17.たかが愛
18.瞬きもせず


完全一致:1曲
曲目一致:3曲


二雙の舟や真夜中の動物園といった長尺の楽曲が多かったためか、前回よりも曲数こそ減ったものの、それがコンサートのボリュームを左右するようなものには思えません。

来年、2011年にもチケットを用意しているので、ふたたびこのコンサートを体験できるのかと思うと、思わず顔がゆるみます。


二雙の舟


おめもじでした。
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コメント 2

ICKW1967

はじめまして。
今回も素晴らしいコンサートでしたね。
特に「二隻の舟」には感動しました。
まさかコンサートで聴けると思っておらず、私も思わず込み上げました。

「二隻の舟」をセットリストに加えた理由・・・なるほど!
by ICKW1967 (2010-12-14 13:10) 

おめもじ

こんばんわ。コンサートに行かれたのですね。

「二雙の舟」はついつい夜会専用の曲だと思い込んでいたので、まさに青天の霹靂、まして「フルバージョン」をライブで聴ける機会に立ち会えたことはファンとしてはもう、嬉しい限りですよね。

あれにはやられちゃいます。参りました!

コメント、ありがとうございます。
by おめもじ (2010-12-14 21:47) 

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