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鐘つき・嘘つき・おぼろ月 「夜会VOL.16 本家・今晩屋」 [Mの音楽]

昨日12月18日、ちょうど1年前の同日、中島みゆきさんの夜会「VOL・16 ~夜物語~本家・今晩屋」の千秋楽の日でありました。

そして私が「今晩屋」を最後に観た日からまる1年が経ったことになります。
忘れもしない12月17日、赤坂ACTシアターのD列、つまり最前列の席に座れたありがたさ。

私はこの夜会にもうとにかく大変な感動と衝撃を受け、初演と再演合わせて5回観に行きました。

それが高じて、みゆきさんと舞台で共演する「香坂千晶」さん、ヴァイオリン奏者である「牛山玲名」さんのそれぞれ参加するライブへ行き、一緒に写真を撮っていただく…というそそうをしでかすまでに。

RIMG4598.JPG
そんな夜会の模様がDVD&ブルーレイに収録され今年発売となりました。

定価8400円、買い方を選べばもっと安く買うことが可能ではありました。
ですが、私はこの作品を安く見てはいません。
よって先日の中島みゆきTOUR2010の会場で、定価どおり買い、
同時に先着特典のみゆきさん「直筆サイン色紙」を頂戴しました。

そして千秋楽から1年経った昨晩8時をもって、この今晩屋DVDの解禁日としました。

部屋の灯りを落としてディスクを再生、まだ何も映さぬ画面にさきがけて、除夜の鐘の音が聴こえてきます。

この夜会「今晩屋」、私はあまり気になりませんでしたが、「かなり難解」と評されている夜会であり、
その難解たる所以は、口語として日常的ではない言葉の多用はもちろんのこと、
なにより、おそらくあまりにも多くの伏線や関係性がちりばめられているために、
見ている人がそれらをどの程度統合しうるか、というさじ加減によって理解の感覚がおおいに左右されることにあるのではないか、と私は思います。

この夜会の物語の「下地」は森鴎外の小説、「山椒大夫」であると紹介されています。
「山椒大夫」は、引き裂かれた家族の話です。

父を探す旅をする母・女中・姉弟の4人はその道中、人買いに騙され母は姉弟と生き別れにされます。
姉、安寿と弟、厨子王は奴隷として暮らし、
やがて姉は弟を脱走させ、自らを助けに帰ってくるよう約束するも、その後入水。
弟は寺へ逃げ、のちに出世、母との再会を果たします。

非常におおまかではありますが、これが森鴎外の「山椒大夫」のあらすじです。

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この夜会「今晩屋」は「輪廻転生」という概念がおおいに含まれた作品であり、前生・今生・来生という言葉そのものも歌詞や台詞に使われています。

それに加えて「今晩屋」制作の揺籃期、みゆきさんは、「逃げる」・それに対し「追う」という言葉を、自身の過去の作品から拾い上げて、新たな作品のきっかけを模索していた、と16回夜会パンフレットに記してありました。

この1年、私は精神世界について少し理解の幅を広げる時間を持ちました。
輪廻転生の概念、カルマや業、宿命と言われている仕組みについてなどです。

私はこういった形而上学的な分野に対して、あまり抵抗を持たないタチだったので、
割とすんなり知識として受け入れることができていました。


人は、もといその魂は、何かを学ぶため、成長するためにこの世に生まれてくるのだと言われています。

生まれくる多くの魂は克服すべき課題や、解消すべき問題を持っていると言います。

生きている間にこれらの問題を自ら乗り越える場合もありますが、問題を残したまま一生を終えると、
次に生まれることになった場合、学びのため引き続きその問題を抱えて生まれることになります。

前生の記憶は、新たに生まれてくる場合、無用な足かせとなってしまうらしいので、
前生の記憶を一旦忘れて生まれてくると言います。

過去の失敗のために足がすくんでしまうようなことを避けるためでしょう。

ですが記憶が魂から完全に消え去っているわけではなく、解決すべき問題を気付かせるための道しるべとして残されているようです。

これは、「輪廻転生」という概念の私なりの説明です。

そして「今晩屋」の話の流れ、登場する人物の様子や行動はこういった概念と照らし合わせると、
多くの部分に説明がつくのではないか、と見ています。


母は、子をだまし取られた己の愚かさを嘆いています。母は自分自身を含めて、許しを知らねばならなかったのかもしれません。

弟、厨子王は姉の死は自分のせいだと自身を責めています。厨子王は自らを許すことを知らねばならなかったのもしれません。

姉、安寿は弟を待つ約束を守らず、自ら入水したことを悔いています。安寿は守りようのない約束に対しての許しを知らねばならなかったのかもしれません。

誰かが悪いわけではない、しかしいまだ浄化しえぬ悔恨にどのような導きを与えてやればよいものか。


家族が手を取って助け合い、同じ船へと乗り込む姿には、運命を乗り越えてゆけるであろう力強さに満ち満ちています。

しかし、まだその魂の旅には、悔いも愚かさも裏切りも一緒についてまわるであろうことが示唆されます。

ですが確実にそれらを克服しうる魂の強さを獲得しつつある、一縷の光が行く手を照らしています。

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私の感じている夜会・今晩屋のおおすじの印象は現在このようなものです。

私はもう過去の失敗に捉われる必要はない、というメッセージを受け取っています。
これ以上分析する必要もないというメッセージも受け取っています。

もっと素晴らしい未来を受け取ることを自分に許可し、
それに伴う情報を集め、行動を起こすことに力を注ぐことを勧められています。

これは私が今晩屋に惹かれた理由を説明しているものとも言えそうです。


おめもじでした。

夜会 VOL.16~夜物語~本家・今晩屋 [DVD]



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